某パズルゲームを参考にゲームを作ってみた!→結果…【NEOGEO:ジョイジョイキッドの感想】

※この記事の大部分は筆者の感想であり、世間一般の絶対的な評価ではありません。ご了承ください。

 

既視感のあるアーケードパズルゲーム。

ジョイジョイキッドは1990年にMVS(ゲーセン用のNEOGEO)向けにリリースされた落ち物パズルゲームです。

基になっているのは、見て分かる通りテトリスですね。これはどう見ても明らか。

どう作ってもとりあえず面白くなるテトリスがベースになっているならこのゲームもきっと面白くなるはず───

 

 

───はずだった……。

とりあえずプレイしてみる

アケアカNEOGEO(Windows10)版です。

わくわく

この2人から選べるみたいですね(キャラの性能差は特になし)。

じゃあ早速消してみよう!

ドン!!

 

概要

2ボタンのアーケードゲーム(一見、両回転対応に見えるが実際は反時計回転のみで、片方は後述するボムに割り当てられている)。

一見するとテトリスと全く同じような気もするが実際は結構違う。

以下がこのゲームの特徴。

・キャラクターの乗る気球を上まで運ぶのがこのゲームの目的。気球は勝手に上昇するので、邪魔になっているブロックを消して障害物を取り除いていくっていうのが基本的な流れ。

・1ラインでも消去すると「自由落下」が発生して、自分が設置したブロックが全て重力に引かれて落下する。この仕様をうまく使って攻略していく。

自分が置いたブロック以外は基本的に自由落下しない。

以下、特殊なブロックや障害物について(正式名称を知らないので名前は適当です)。

・金色のブロック

耐久力付きのブロックで、3回分ライン消去をしないと破壊できない。このゲームで一番厄介な存在。

・中央に赤い点のあるブロック

一定時間経過で左右1マスにブロックを生成する。最大で左右3マスまで。

・電流ブロック

2つのブロックの間に気球が通過しようとすると発動し、気球の上昇速度を抑える。

・機雷

気球と接触すると爆発し、一定時間気球を停止させる。

・黄土色ブロック

ライン消去しても消えない(ただしこのブロックを使用していて厄介な配置になっているステージはほとんどない)。

 

とまあ、ここまで色々特殊ブロックについて解説したんですけど、ハッキリ言って金色ブロック以外はほとんど使われていません

 

さらに、ライン消去を繰り返すと「L-BALL」と書かれたメーターが溜まり、最低4目盛貯まるとボムが使用可能(これも便宜上そう呼ぶほうがわかりやすいと思うので表記)。

強さは3段階で、1回使ったらメーターが全て消費され、範囲内のブロックに「1ライン消去相当」のダメージを与える。

つまり、金色ブロックは耐久力が1下がるだけで消えない。

使い所によってはステージ開始直後にクリアできる。

 

感想

評価点

全120ステージの大ボリューム

全クリアまでにかなり時間がかかるので、アケアカ版が800円程度と考えると結構なボリューム。

 

テトリスとは異なるゲーム性

ライン消しによって起きる自由落下をうまく活用することが重要。これによってテトリスとは違う戦略性が生まれている。

また、ボムをうまく活用することで楽にクリアできる場合もあるので、使いどころがけっこう大事。これによって単調なゲームにならないようには…なっている。多分。

 

回転法則

当時のテトリス準拠と考えたら回転法則が厳しそうなイメージがあるが、実際のところ結構補正がかかるようなので(要検証)、操作面でストレスを感じることは少ない。

 

問題点

レベルデザインが歪

徐々に難しくなるのではなく、いきなり極端に難しいステージが来たかと思えば、簡単なステージが続くことが多い。ステージ1から難易度調整が歪。

ステージ1-7は序盤の鬼門と言って良いレベル。

左右端が空いているのが厄介で、自由落下を駆使してうまく積み上げていく必要があるが、そのためには盤面上部でうまく消しながら耐える必要がある。この時点で操作に慣れていない・このゲームのコツを掴めていないプレイヤーは、最悪の場合詰む。

さらに、気球が金色ブロックで囲われているので、ボムという逃げ道がほとんど意味をなさない(使ってもヒビが入るだけで完全に破壊できない)。

このように、序盤から厳しいステージがあることが問題。

もっとも、昔のアーケードゲームなんて難しくてなんぼなもんなので、当時はこれくらいが普通だったのかもしれない、ということは考慮する必要はある。

 

出現ブロックが偏りやすい

乱数の問題なのか意図的なものなのかは不明だが、一度偏りだしたら何回も同じテトロミノが来ることが多い。なので、その点を考慮した動きをする必要があり、特定のミノを期待する置き方はなるべく避けなければならない。

ひどい例

明らかに色が偏っているのが分かる。

こういう仕様だと割り切ることが必要なのだが、普通のプレイヤーがそこまで意識してプレイするのは難しい。

 

運ゲー要素が強い

前項と関連するが、このゲームでは1ブロック分の隙間が出来やすいので特にIミノが強力。したがって、Iミノがなかなか来ない場合はそれだけで難易度が上昇するし、逆にIミノが偏って出現した場合はかなり楽になる。

ステージ1-7(前述)みたいに上部で耐えなければいけないような場面でSミノ・Zミノが偏った日にゃもう泣きたくなる。

 

冗長で飽きやすい

評価点の対になる部分。ステージクリアのための近道がボムくらいしかなく、使わない場合はひたすら積んで自由落下を繰り返す作業ゲーと化す。

極端に難しいステージを除けば、ほとんどは大して難しくないステージで同じ展開になりやすいので、集中力が長続きしにくい。

さながら味のしないガムをひたすら薄く広げたような感じ。

 

障害物を活用したステージが少ない

概要で触れた通り、金色ブロック以外は使われているステージが少ない。

 

BGM

BGMはそこそこ良いのだが、後半60ステージからは一部ステージBGMがやたらと暗い曲に置き換わるので気分が上がらない。

さながら躁鬱を追体験しているかのような気分になる。

 

ミニゲーム

一部のステージ間のデモでミニゲームをやらされる。クリアしなくても普通にゲームは進行するし、単調でつまらないので、蛇足感が強い。

 

結論

だいぶ前に買ってはいたけど全く触らずに放置してたのが心残りになっていたので、これを機にちゃんとやってみようと思って、何十回とコンティニューを重ねながら、なんとか全120面をクリアしました。

面白くなかったです。心の底から面白くなかったです。

 

このゲームの悪い点を3つにまとめると、「冗長さ・単調さ・難易度の高さ」であると思います。

冗長さはプレイ時間の長さ。通しプレイは気が遠くなるほど時間がかかります。

単調さについては、そもそも落ち物パズル自体が単調なゲームであることは否定できないですが、このゲームの場合はステージ構成やゲームシステムなどが単調さを増幅させているように思います。

極端に難しいステージの存在や、ミノの偏りによる運要素の大きさなどが、難易度の高さに繋がっていると思いました。

 

ただ、ゲームとして破綻している部分はなかったので、普通に遊べる出来ではあり、必ずしもクソゲーと言える程のものでもないと思っています。

 

幸い、アケアカ版は途中セーブもあるので、少しずつ攻略していくということも出来ます。

価格も安めなので、もし気になったら遊んでみてはいかがでしょうか。

 

余談

海外版のタイトル

捻りがなさすぎて困惑してるよ~